応急手当の知識と技術を身につけましょう
事故などで心肺停止になった人を救うには、救急車が到着するまでの間にそばに居合
わせた人が速やかに心肺蘇生(そせい)措置の応急手当を行う必要があります。いざ
というときのために、消防署の講習会に参加して応急手当の知識と技術を身につけて
おきましょう。
そばに居合わせた人の心肺蘇生措置で一命をとりとめる
60歳代の女性がテニスの試合後に「めまい」を訴えて倒れました。テニス仲間数名
が駆けより確認したところ、反応もなく普段どおりの呼吸をしていませんでした。仲
間たちは心肺蘇生をする者、119番通報をする者、AEDを搬送する者、それぞれ
の役割を果たしました。3分後にAEDが到着し電気ショックを1回実施し、消防隊
が到着した時には呼吸と脈が回復し、その後救急隊到着時には、意識が完全に回復し
ました。
【資料:財団法人 救急振興財団 応急手当講習テキストより】
心臓が止まってしまうような重大な事故等は、いつ、どこで、何が原因でおこるか分
かりません。下の図ではその場に居合わせた人が速やかに心肺蘇生法を実施した場合
と、救急車が来るまで何も行わなかった場合の救命のチャンスをグラフで表したもの
です。このことからも、その場に居合わせた人の心肺蘇生法がいかに重要かわかると
思います。応急手当をする時間が遅くなっても、手を差し伸べることで救命のチャン
スがあることを認識し、積極的な応急手当をお願いします。
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応急手当によってつなげる「救命のリレー」
心肺停止状態になった人がいたとき、119番通報して救急車を待っている間、周りに
いる人が人工呼吸や胸骨圧迫、AEDによる応急手当てをしましょう。救急車が到着
したら速やかに救急隊員に患者を引き渡し、その後救急車で救急救命士による救命処
置、医療機関で医師による救命医療が行われます。
救命の連鎖とは
(1)「心停止の予防」 (2)「心停止の早期認識と通報」
(3)「一次救命処置」 (4 )「二次救命処置と心拍再開後の集中治療」
の四つの輪で成り立っています。
この四つの輪 が途切れることなくつながることで救命の効果が高まります。
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講習会により応急手当の技術習得を
人工呼吸、胸骨圧迫、AEDなどの応急手当は、経験がなければいきなりその場で実
践するのは難しいことです。患者を救うためには、何よりもまず多くの人が応急手当
の知識と技術を身につけることが必要です。
各消防署では、応急手当の講習会を実施しています。講習は大きく分けて救命入門コ
ース、普通救命講習、上級救命講習の3種類があります。救命入門コースは小学生高
学年以上を対象とし、心肺蘇生法とAEDの取り扱いを中心に学びます。普通救命講
習では主に成人の心肺蘇生法、AED、止血法などを、上級救命講習では乳児・小児
の応急手当等も学びます。
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